黒塗りの蒼空

深き山に眠りし漆黒の両翼を持ちし者住みにけり。手に羽団扇と金剛杖を持ち、腰に太刀を挿している姿はさながら山伏を思はせる。後に天狗と呼ばれるようになった者のうち、一人に強大な神通力を持つ者あらはる





壱♯鴉鳴く頃童の命は危うく
弐♯外道の色彩好むは漆黒
参♯こうして俺は天狗を飼うことになった
肆♯眠りの世界でさえ安住を許されない者がいた
伍♯鴉が止まり木を飛び立つ刹那の
陸♯人間に出来ないことを鴉はどうして、出来るのか