携帯のディスプレイに映るのは 、俺の付き合ってる女の名前だ。メールを何度かやりとりしていたのだが(俺は電話の方が面倒でないから好きなのだが、とメールをすると何故だか面倒と感じないのだ)だんだんとコイツの口調が怪しくなってきた。話題は一般的で夏休みが終わってしまうな、というものだった。そうしたら徐々に課題の話しになりは未だに完成していないらしい(勿論、俺は終わらしてある)それを聞いて薄情だとは思うが自分でやるのがいいと思い、声援を送るだけに留めていた。そうしたら段々、からのメールに救いを求める声の影みたいな、なんとも言えない曖昧なものが含まれ始めたのだが当の本人がそれを書かないので俺も自分からなにを言うこともなかった。そうして現在、送られて来たメールには遂に助けてほしいという内容が綴られていたのでわざわざ足を運んでの自宅まで来たのだ



俺を出迎えたは疲れた顔をしていたので通された彼女の自室にあるダークブラウンのチェアに腰掛けたところで「寝ていないのか」と何故だが自分がその要因に含まれているような、責を胸の内に隠しきれないまま尋ねた
「最近、ね。遊んでたらっていたいよ!」
「バカかぁ!遊んでて寝てない上に課題やってねぇだぁ?!」
自分が想像していた解答とまったく違う、なんと阿呆らしい理由だろうか!わざわざ手伝ってやろうという気は線を抜かれた水のように流れ落ち、なくなってしまいそうになったからの頭を叩いたことだし帰ろうかと思った矢先、必死に手伝って下さいという姿と表情に今更ながら弱いと思いながら負けた



それから隣に座らせ、わからない箇所と俺がやっても彼女の学力の向上に支障ない部分を手伝っていたのだが、無言でやっていたことか、それとも自分が手伝ってやろうという妙な気を起こしたのが悪かったのか。は幸せそうに瞼を閉じ、微笑みながら机に突っ伏して眠りについていたのだ!さすがに自分も揺り起こしてやろうかと思ったが、彼女の手を見てやめた。よく見てみれば色素の薄いそれは痛々しい紫や青の痣があり、なにをしていたかは知らないが遊んでいたわけでないのはわかった。が自分に嘘をついたこと、助けを求めたくせに眠っていることに不満は生じたが起こしてやれなんて感情は芽生えず、そんな無粋なことをしてどうなるわけでもない、俺を頼ってくれたのだからいいじゃないかと考えに至ればいまはゆっくり寝かせて残っている課題をすべて終わらせ、それから尋ねればいいのだ。自分達にはまだまだ時間はある、夏が終わろうとこれからもずっと一緒にいるのだから




偽られても誠実さを持って愛慕せよ