施設で実験体として生活してきた私にとって外の世界は対して興味はなかった
一緒にいた犬や千種は早くこんな場所から出ていきたいと何度も言っていたし別段、私もその考えに共感しなかったわけじゃない
ただ言えることはみんなが軽率だということだ。わたしから見ればとても浅はか
この施設から飛び出したとして私たちはどうやって生きていけばいい?考えてみて欲しい
こんな施設に入れられて実験体にされたのも「禁弾」なんて作ったからだ。他のファミリーに遭遇すれば私たちはゴミを見る目でゴミのように殺される、否撤去されるのだ
犬や千種は外の世界を少しは知っているらしい
彼らはスラムで育ったらしく、幼くしてここにいれられたらしい
私の場合、研究員が実験体である母に赤子を孕ませたらしくオろすのも勿体ないとのことで私が生まれた
最初からファミリーに貢献するためにうまれたような私にとって外の世界は大変に魅力的であるが施設が生まれ故郷なので無理やり飛び出そうとも思わないし、そうしたって生きていける自信はなかった
現に母は私を連れだして逃げようとしたらしいが父に撃たれて死んだらしい(罪状は反逆)共に逃げ出そうとした私は最も過酷な実験をされることになる
周りの人間達からは「お前はファミリーに貢献して死ぬために生まれてきたんだから実験で死ぬことは名誉なことだと思え」と何度も聞かされた
いつものように体の中にたくさんのチューブやら注射器を入れられて管だらけになった私の目の前で事件が起きた
いつも話さないような、無口な青年が急に施設にいた者達を皆殺しにしたのだ
私専属状態だった医者(というより研究員と呼ぶべきか)がカルテを持って他の者に指示を与えていると突然にその人は全身、血だらけになった。周りの人も次々に茫然とした顔でばたりばたりと倒れていく
倒れていく大人のおかげでその真ん中で三つ又の、たくさんの人を殺した禍々しい形のナイフを持った少年を見つけた
少年は薄ら笑いをしながらこちらに目を向けた。正直に言えばとても恐い、冷たい笑顔であった
私にとってそれは忘れられない光景。その少年はニコニコと笑いながら私に言ったのです
「僕についておいでよ。ちゃんとに生きていけるよ」
親も故郷もなくしている少女